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弱いなら、弱いなりに生きてゆけ

by Tomoko Ishida

そうやって泣いている間も、お前はわしに『負けた』と思ってるのだろう。
だが、わしの評価はむしろ逆だ。屁理屈を並べて吠え立てるより、ずっと大きな可能性を感じる。
弱いと思うなら、弱いなりに生きてゆけばいいじゃないか。なぜ無理に鋼になろうとする? 
世の中には蟻のような逞しさもあれば、水のような強さもある。
感じやすい性質だからといって、知性や精神力まで劣るわけじゃない。
恥というなら、出来もしないことを『やれる』と大見得を切ることだ。
今ここで『出来ない』と弱音を吐いたところで、誰もお前を弱い人間とは思わない。
この一ヶ月、必死で頑張ってきたのは誰もが知るところだし、事情を知れば、みな納得するだろう。
お前は皆の信頼を得てる。それが一番の資本だ

海洋小説『曙光』MORGENROOD(上巻)


Tomoko Ishida
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